【メディア掲載情報】「連続トークイベント『#昭和100』第3回」についての記事が南日本新聞に掲載されました(11/3)
令和7年11月3日の南日本新聞紙面(7面)において、連続トークイベント第3回目となります「戦後八十年 梅崎春生 戦争とミステリ」の様子が掲載されました。
(以下、令和7年11月3日付南日本新聞第7面より転載。)
ミステリーにも戦争の影/鹿児島大イベント、梅崎春生作品読み解く
鹿児島ゆかりの作家、梅崎春生のミステリー作品を読み解くイベントが10月25日、鹿児島市のかごしま近代文学館メルヘンホールであった。江戸川乱歩に「奇妙な味」と評価された作風を、鹿児島大の鈴木優作特任助教(46)=日本近現代文学=は、戦争の傷痕や生きる意味を問いかけた、自身の戦争文学に通ずると紹介した。
梅崎は戦中、暗号特技兵として鹿児島で従軍。戦争体験を基に、極限状態での人間心理を描いた「桜島」で文壇デビューし、戦後派を代表する作家として知られる。江戸川乱歩の勧めで「十一郎会事件」などのミステリーも書いたが、単なる謎解きとは一線を画した。「犯人=悪」「探偵=正義」という絶対性を疑うなど、定番とは異なる性質をはらんでいたという。
鈴木氏は、梅崎ミステリーについて「割り切れない、人間の不条理な心理を描く手法を採っていた」と分析。「戦争がいかに罪や欲望といった負の作用を人間個人にもたらすのか、という問題を照らし出している」と述べた。
鹿大「鹿児島の近現代」教育研究センターが、昭和100年に合わせて企画するイベントの第3弾。次回は11月9日午後1時半〜3時半、「陸軍特別大演習下の鹿児島県」をテーマに、鹿児島市のサンエールかごしまである。(赤間早也香)
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