【活動報告】国際シンポジウム「ヨーロッパ啓蒙思想と現代文化―日本・アジアとの関係から―」を開催しました(3/24)

2024年3月24日(日)14時より、本学郡元キャンパス法文学部棟1号館201講義室において、フィレンツェ大学との交流協定に基づく国際シンポジウム「ヨーロッパ啓蒙思想と現代文化―日本・アジアとの関係から―」を開催し、オンラインを含め約60名ほどの参加がありました。

まず法文学部の藤内哲也教授(西洋史・イタリア史)より、近現代社会の基盤をなすさまざまな原理や制度を準備した18世紀のヨーロッパ啓蒙思想に着目する本シンポジウムの趣旨説明がなされた後、18世紀ヨーロッパ思想史の専門家であるフィレンツェ大学のローランド・ミヌーティ教授による基調講演が行われました。ミヌーティ教授は、現代世界が抱える諸問題に答えを見出すために、人権や正義、自由、コスモポリタニズムなどの普遍的な価値体系を内包する啓蒙思想の遺産と有効性を問う意義を強調し、多くの研究者の見解を紹介しながら、啓蒙思想の最大の遺産として、当時の思想家たちによる自由で批判的な思考や研究方法を高く評価しました。

それを受けて、法文学部の柴田健志教授(哲学・倫理学)、太田純貴准教授(メディア論・美学芸術学・美術史)、丹羽謙治教授(日本近世文学)より、それぞれの専門分野や関心に沿ったコメントがなされました。また、ディスカッションとして参加者からも質問が寄せられ、啓蒙思想の意義や近現代世界における諸問題との関係性、日本におけるヨーロッパ思想の受容等をめぐって、ミヌーティ教授、コメンテイター、質問者の間で、予定された時間を超過するほど非常に刺激的で白熱した議論が展開され、盛会のうちに幕を閉じました。

ローランド・ミヌーティ教授
ミヌーティ教授による基調講演
ミヌーティ教授とコメンテイター
ミヌーティ教授と通訳を務めたフィレンツェ大学の鷺山教授