【メディア掲載情報】沖永良部における本センタースタッフの調査が南海日日新聞に掲載されました(南海日日新聞・3/2)

令和5年2月、本センターの鈴木優作特任助教、日髙優介特任助教が行った作家・一色次郎に関する調査が、南海日日新聞にも掲載されました。

以下の記事は、同紙がこの調査に関して上記2名に対して取材したものです。(以下、令和5年3月2日付南海日日新聞8面より転載。)

一色次郎(知名町出身)を調査 鹿大研究者が来島
「作品をよみがえらせたい」 沖永良部島

【沖永良部総局】鹿児島大学法文学部付属「鹿児島の近現代」教育研究センター特任助教の鈴木優作さん(44)と日髙優介さん(43)が2月17~19日、知名町出身の作家、一色次郎(1988年死去)調査のため沖永良部島に来島した。鈴木さんは「鹿児島の近現代作家としてもっと読まれてもいいのではないかという思いが強い。一色の作品をよみがえらせたい」と話した。

一色次郎は16年、知名町余多生まれ。幼少期、父親が島内の抗争事件に巻き込まれ、無実の罪で獄死。結核で島に帰って亡くなった母親への思いをつづった小説「青幻記」で67年太宰治賞受賞。同作品は73年に映画化された。主な著作に父親の無実を訴えた小説「太陽と鎖」、女性死刑囚をテーマにした小説「魔性」、菊池寛賞を受賞した共編「東京大空襲・戦災誌」などがある。

鈴木さんはこれまでに手に入る限りの一色の著書を集め、著作リストや年譜を作成し、今回初の来島調査。一色が80年、遠縁宛てに送った直筆の手紙、新聞記事など同封されていた資料を確認し、「文学研究の上で一番難しいのが一次資料の発掘で本当に貴重。曽祖母や島とのつながりは、今までの資料を見ただけでは分からなかったことですごく面白い。一色を考える上で、島から離れていく気持ちと、逆につながっているという両義性があるのではないかと思った」と成果を語った。

共同研究者の日髙さんは「島を愛し、島を憎んだような一色という作家をもう一度評価してみようというのが試みとしてある。面白い作品があるので、島の皆さんにも読んでほしいし、一色に関して知っていることがあったら、情報を寄せてもらえたらありがたい」と協力を呼び掛けた。

2人が所属する「鹿児島の近現代」教育研究センターは2022年10月設立。日本の近代化を先導した鹿児島の歴史を掘り下げ、一次史資料の発掘、保存などに取り組んでいる。

※上記記事のWEB掲載版へのリンクは、以下になります。