【メディア掲載情報】地域シンポジウム『沖永良部の近現代』が南海日日新聞に取り上げられました。(南海日日新聞・3/28)

令和5年3月27日(月)、沖永良部島和泊町役場 結いホールで開催された地域シンポジウム『沖永良部の近現代』。近現代センターと法文学部法経社会学科経済コース澤田成章ゼミとの共催で開催されたこのシンポジウムの模様が、南海日日新聞に掲載されました。

近現代センターからは丹羽謙治センター長、西村知副センター長、日髙優介特任助教、鈴木優作特任助教が参加し、西村副センター長、日髙特任助教、鈴木特任助教の3名が報告しました。
(以下、令和5年3月28日付南海日日新聞1面より転載。)

「沖永良部の近現代」考察
各分野の研究成果を発表 鹿大・地域シンポ

鹿児島大学法文学部付属「鹿児島の近現代」教育研究センターは27日、和泊町役場結いホールで地域シンポジウム「沖永良部の近現代」を開催した。同大学の学生と研究者が近代以降の沖永良部島にまつわる人物、産業、食材などさまざまな分野の研究成果を発表。島バナナを生かした新たなビジネスモデルの構築や定住外国人の起業促進による島の経済活性化などの提言もあった。

同センターでは県内でもいち早く近代化が進んだとされる沖永良部島に着目し、さまざまな調査研究を行っており、地域をテーマとしたシンポジウムは初めて。同学部准教授の澤田成章ゼミと共催した。

前半は澤田ゼミの学生が研究成果を発表。テーマは養豚が失われた歴史的背景、公用車の効率的・効果的マネジメント、少人数小中学校が抱える課題と今後の調査計画など。発表後にテーマごとのポスターセッションもあった。

後半は4人の研究者が登壇。西村知教授は同島に定住しているフィリピン人を取り上げた。労働、ビジネスの特徴として「人間関係をうまく構築しながら生計活動においていろんなカードを切っていく『ディスカルテ』。具体的な現象形態が多様な職種に就労し生計活動を行う『生業複合』や島、全国のフィリピン人を対象とした小規模ビジネス『ディアスポラビジネス』」と分析。

ディアスポラビジネスの例として、島に住むフィリピン人に対するフィリピン料理の仕出しや関東を中心としたキャッサバ、パパイアなどの販売を挙げ、「外国人の島への『同化』を促すだけでなく、外国人の起業促進が島の経済活性化につながる可能性がある」とした。

このほか、「和泊町学校給食センターの島内産品使用の実態と構造的問題」「沖永良部出身の医師たち」「一色次郎調査報告」をテーマとした発表があった。

「鹿児島の近現代」教育研究センターは2022年10月設立。センター長の丹羽謙治教授はあいさつで「鹿児島の近代の歴史を研究しつつ、現代の諸課題を解決するためのプロジェクトを行っており、その幾つかは沖永良部が舞台。今後もよりパイプを太くし、学生を送り込んでいきたい」と話した。

※なお、以下は南海日日新聞WEBサイト内にある、上記記事のWEB版へのリンクです。