【活動報告・地域マネジメント教育研究プロジェクト】高大連携ワークショップ「指宿の未来への贈りものプロジェクト」の開催(8/10)

「鹿児島の近現代」教育研究センターの令和5年度地域マネジメント教育研究プロジェクトの一環で、石田智子准教授(統括)・吉田明弘准教授・兼城糸絵准教授(人文学科多元地域文化コース)、馬場武講師(法経社会学科経済コース)は「指宿の地域資源の探究2:鹿児島大学法文学部と指宿高等学校の連携事業」を実施しています。プロジェクトは昨年度からの継続です。

昨年度に引き続き、鹿児島大学法文学部と鹿児島県立指宿高等学校の合同ワークショップ「指宿の未来への贈りものプロジェクト」を8月10日(木)に鹿児島大学で開催しました。指宿高等学校の総合的な探究の時間「柏葉」における地域課題の解決を目指す探究活動(柏葉ACTIVA)に鹿児島大学法文学部が参加し、指宿を中心とする身の回りの地域資源の価値を一緒に再確認または新発見する取り組みです。

ワークショップには、探究活動に主体的に取り組む高校生に加えて、多様な専門分野を学ぶ多くの大学生・大学院生や教員が参加しました。高校生が進めている活動テーマごとにグループに分かれて議論しました。テーマは、LGBTQ+、指宿民俗プロジェクト、海外留学、海岸のゴミ調査、外国人が安心して医療を受けられるための環境づくり、(発展)途上国支援など多岐にわたります。お互いに意見を活発に出し合い、大いに盛り上がりました。高校生と大学生だけでなく、大学院生、留学生、学部や学科をこえた交流にもなりました。

参加者のコメントを一部抜粋して紹介します。

今回この指宿の未来への贈りものプロジェクトに参加して、とても貴重な体験をすることが出来ました。大学生と普段関わる機会もないのでとても新鮮で楽しかったです。最初はとても緊張していたけど大学生の皆さんが仕切って話しやすい雰囲気も作ってくれたおかげで楽しい話し合いをすることができました。そして私たちの課題に改めて深く考え今まで考えなかった視点からのアドバイスも頂けてとても勉強になりました。

いつも高校生だけで研究をしているので、どうしても課題に対する視野が広がらなかったり様々な意見を取り入れづらかったりする所があったが大学生の方や大人の方と交流する機会を設けてもらうことでまた普段の研究とは違った体験ができた。専門で学んでいる方の実際の意見を聞くことができ、研究の幅が広がった。この意見、そして経験を学校に持ち帰り、活かしていきたいと思う。

とても楽しい企画でした。高校生と話すのは新鮮で、自分たちの話をしっかりと聞き入れ改善しようとする吸収力がすごいなと感じました。

高校生の積極的な姿勢や自らの意見をしっかりと発言する姿に感服しました。また、大学生や院生にとっても高校生の持つ視点や発想に触れて、思考を深めたり、指宿市の現状を見直したりできたように感じます。

チームメンバーやテーマは前回と全く違うにも関わらず、前回よりも議論がスムーズで結果の発表も豊かなストーリー性があったことが印象的です。前回のメンバーの知識が組織の形式知として(あるいは暗黙知のまま)指宿高校にも鹿児島大学にも蓄積した結果ではないでしょうか。議論の内容や結果の発表を鑑みて、指宿高校の生徒さんも鹿児島大学の学生さんも互いの知識を持ち寄って創発していたと思います。指宿の未来への贈り物プロジェクトは、多様なメンバーで創発することで知を創造し、その知を地域へ還元するプロジェクトなのでは、とあらためて考えたところです。


ワークショップの開催にあたりご協力いただいた皆さまに厚く御礼申し上げます。

昨年度のワークショップの実施報告はこちらです。