【活動報告・地域マネジメント教育研究プロジェクト】トークイベント「アートと地域と教育」を開催しました(12/1)
坂本顕子氏(熊本市現代美術館 学芸員)と早川由美子氏(NPO法人 PandA理事長)をお呼びして、トークイベント「アートと地域と教育」を行いました。
熊本市現代美術館の学芸員である坂本顕子氏からは、地域との関係を大切にしながら行われる教育普及活動についてお話を伺いました。
また、早川由美子氏からは、NPO法人という立場で鹿児島の芸術文化活動にどのように取り組んでこられたのかをお話しいただきました。
作品や展覧会に比べると、芸術をめぐる教育普及活動は目立たないかもしれませんが、地域の重要な知的・文化的基盤、交流の土台となっている、もしくはそうなる可能性があることを知る契機となりました。
また、芸術への関わり方は制作や鑑賞だけでなく、教育を通した関わりなど、複数あることを具体的に知るきっかけとなりました。
同時に、芸術への関わり方の可能性や限界を見極め、新たな問題設定を継続的に行なっていくことの必要性や重要性について考える機会となりました。
学内外から参加者があり、充実したトークイベントとなりました。お越しいただきました皆様に御礼申し上げます。
このトークイベントには、法文学部の太田純貴准教授、
フライヤーは、多元地域文化コース3年生で太田純貴ゼミの加瀬ひかるさんが作成してくれました。
以下、トークイベントにご参加いただいた方からの感想(一部)
全体を通して非常に興味深く、勉強になる時間だった。特に印象的であり、自身も身につまされる点が公共事業として文化政策を行うことの難しさということだった。広く支持を得る必要があるため、目標としていた内容を満たせないもどかしさ、情熱や実績を十二分に発揮できない現実はアートとは違った分野の施設、事業においても悩ましい点という実感がある。また、金銭ばかりが客足に作用する訳ではない、という実体験も非常に興味深かった。(一年生カードの施策は、大変素晴らしいものと思う)内容のブラッシュアップ、見直しや間口は適切に、効果的に開かれているかなど改めて見直すために非常に良い根拠であった。
信念がとてもあって、様々なことに鹿児島で取り組んでいらっしゃる早川さんと、1対1で話してくださっているような、なんでも楽しんで取り組んでいらっしゃる坂本さんのお話がとても素敵で楽しかったです。 質問の際に、途中2人の対談があったことも面白かったです。 私は小学生や中学生の頃、青、赤、黄、白ののみパレットにのせるような決まりがあり、決まりがあるからこその楽しさもあるかもしれませんが、この表現しかしてはいけないという、アートや絵に対する窮屈さがあるようにも感じていました。 今日のお話の中で、1年生カードやアートバス、ダンボールキットなど、小中学生がアートへの親しみを持てるような、そして、自分で考える自由さもあるような取り組みをされていて、楽しそうでとても良いなと今の小中学生が羨ましく思いました。 また、美術館で教育を担当されている方がいるということを知らなかったので、取り組み等、勉強になりました(後略)
美術館が既存の枠にとらわれず、さまざまなイベントをしていた。それは従来の美術館イメージから大きく逸れたもののように感じた。初めは、やりすぎなのではとも感じたが、「教育普及」の観点で必要な取り組みだと気づかされた。
※このトークイベントは、「鹿児島の近現代」教育研究センターの令和5年度地域マネジメント教育研究プロジェクトの一環として実施されました。