【活動報告】奄美群島日本復帰70周年記念シンポジウム「豊穣の奄美 ―研究と文化の継承―」を開催いたしました(3/23)

2024年3月23日(土)、鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センターは、本学郡元キャンパスにおいてシンポジウム「豊穣の奄美 ―研究と文化の継承―」を開催しました。
奄美研究をテーマとした「奄美研究の過去/現在/未来」、島唄の継承をテーマとした「21世紀の奄美島唄」の2つの企画をとおし、奄美の豊かさについて確認することができました。
当日は、現地参加・奄美市の配信会場合わせて延べ200名の方々にご参加いただきました。

会場の模様
会場の模様

第1部「奄美研究の過去/現在/未来」は日髙優介特任助教による趣旨説明にはじまり、経済学者の皆村武一本学名誉教授による講演「戦後奄美群島の社会経済の変容 ―開発と自立のジレンマ―」がおこなわれました。講演では復帰の状況や奄美群島振興開発特別措置法の問題点などが解説されました。続く文化人類学者の町泰樹准教授(鹿児島工業高等専門学校)による講演「文化人類学/民俗学のなかの<奄美>」では、文化人類学者や民俗学者たちの奄美への眼差しが紹介されました。講演者と会場参加者を交えたオープンフォーラムでは、奄美研究の意義やその問題点、そして今後の可能性についての議論がおこなわれました。

日髙優介特任助教
皆村武一名誉教授
町泰樹准教授
オープンフォーラムの模様

第2部「21世紀の奄美島唄―伝統から何を受け継ぐか?」では、本学の梁川英俊教授による趣旨説明ののち、同教授による講演「島唄の新世紀―伝統から未来へ」がおこなわれました。このなかでは「奄美で観光客が聴けるような島唄施設をつくる」や「島唄の新曲をつくる」といった可能性が示されました。続く本学大学院博士後期課程のアンニ氏による講演「舞台から見る奄美島唄の変遷」では島唄を演じる場面の歴史的変遷や、現代の若い唄者たちによる取り組みなどが紹介されました。東京音楽大学教授原田敬子教授の講演「奄美島唄の継承に創造は必要か?」では映像資料とともに島唄を基盤とした音楽の多様な展開が示されました。これらの3つの講演について酒井正子川村学園女子大学名誉教授からコメントを頂きました。

梁川英俊教授
アンニ氏
原田敬子教授
酒井正子名誉教授

講演に続き、奄美民謡大賞受賞者である里朋樹氏・歩寿氏の島唄ライブがおこなわれました。迫力ある生の歌声と軽妙な語りに会場一同島唄の魅力に引き込まれ、六調では参加者も一緒に踊り本シンポジウムは終了しました。

里朋樹氏
里歩寿氏
六調

今回のシンポジウムでは、これまでの研究や文化への検討から「奄美」の豊かさについて確認するとともに、これからの「奄美」の可能性について共有することができました。

本シンポジウムの模様については、南海日日新聞や南日本新聞で紹介されました。

 

今回のシンポジウムにつきましては、下記10団体にご後援を頂きました。ご協力に心より感謝いたします。

鹿児島県教育委員会、鹿児島市教育委員会、南日本新聞社、MBC南日本放送、奄美新聞社、南海日日新聞社、あまみエフエム・ディ!ウェイヴ、(一社)あまみ大島観光物産連盟、(一社)奄美群島観光物産協会、鹿児島大学国際島嶼教育研究センター(順不同)